オーナー通信

2007年7月オーナー通信
7月17日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

ユニオン・メディエイト 賃貸事業部からのお知らせ

拝 啓
盛夏の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、当社では毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りし、賃貸管理にまつわるさまざまなニュースをお伝えしたり、新たな提案をさせていただいたりしております。
今月は本年5月にお知らせした「更新料」にまつわる訴訟の関連情報をご提供させていただきます。
お忙しい中恐縮ですが、ご高覧いただければ幸いです。

 

更新料について(2)

本年5月の通信で、「賃貸借契約の更新時に更新料を課すのは消費者契約法に違反するとして、京都市の男性が貸主に更新料等61万5千円の返還を求め、京都簡裁に提訴」というニュースをご紹介しました。
産経新聞では「消費者契約法に基づく更新料返還請求訴訟は全国初」と紹介されていましたが、当社が加盟している財団法人日本賃貸住宅管理協会(略称:日管協)より、「以前にもそうした訴訟があったと会員から連絡がありました」という報告をいただきました。

「更新料は消費者契約法に反しない」という内容とのことです。

以下、日管協からの報告をもとに、その訴訟の経緯と平成17年10月26日に出された東京地裁の判決をご紹介します。

 

 

1.経緯

借主は平成6年12月、賃料5万5千円で東京都新宿区のアパートに入居しました。
契約期間は2年間であり、契約書には次の内容の特約(以下「本件更新特約」とい う)がありました。

○期間満了の2か月前までに貸主・借主のどちらかから何らの申出がない場合、2年間、契約期間が更新される。

○それ以降の期間満了についても同様に契約期間が更新される。

○契約期間更新の際、借主は更新料として賃料の1か月分を支払う。

この賃貸借契約は、平成8年、10年、12年、14年に更新契約書が作成されました。

貸主は16年12月、更新料を支払うよう借主に書面で請求しましたが、借主は16年の更新料だけを支払わなかったため、貸主は更新料の支払いを求めて簡易裁判所に提訴しました。

借主は本件更新特約が消費者契約法や借地借家法に違反すると主張しましたが、簡易裁判所の判決は貸主の請求を全部容認しました。これを不服とする借主が控訴したのが、以下の判決です(控訴棄却)。

 

2.争点

本件更新特約に基づく更新料支払い義務の有無。

 

3.借主の主張(簡裁のときと同じ主張)

  ○本件賃貸借契約は平成16年12月の期間満了により法定更新になっているため、更新料の支払いが適用されない。

○仮に本件更新特約が適用されるとしても、同特約は、消費者契約法10条や借地借家法(法定更新等)に違反しているため無効である。

○そもそも更新料の支払いは法律に規定がなく、また、更新料の支払いに関する慣習もない。

○よって借主が更新料の支払義務を負うことはない。

 

4.東京地裁の判断

  ○借主は本件更新特約の記載された賃貸借契約を締結しており、賃貸借契約はこれまで同特約に基づいて4回更新されてきた。平成16年12月の期間満了にあたり、2か月前までに契約期間の更新等の申出がされていない以上、本件賃貸借契約は新たな更新契約を要せずとも期間満了により同特約に基づいて更新されるものであり、借主は同特約に基づき約定の更新料の支払い義務を負う。

○更新は本件更新特約に基づいたものであり、借地借家法の法定更新の規定の適用の余地はない。

○本件更新特約は、期間の定めのない契約(正当事由を必要とするものの、原則として貸主の解約申入れから6か月で賃貸借契約が終了するとの契約関係)になることを防ぎ、借主に契約期間中の居室の賃借権を確保するものであり、むしろ同特約は借主の権利を実質的に強化するものであると評価できる。

○本件の更新料は、借主の権利を実質的に強化することの対価と考えられ、金額が1か月分の賃料相当額とされている点にかんがみても、消費者契約法や借地借家法の主旨に反して消費者の利益を一方的に害する特約とはいえない。

○借主は更新料支払いの慣習がないと主張するが、本件の更新料は、本件賃貸借契約の契約書に記載された特約に基づくものであり、前記のとおり本件更新料特約は有効であるといえるから、借主の主張には理由がない。

 

5.判決

よって原判決(貸主の更新料請求を認めた簡裁判決)は正当であり、本件控訴は理由がないから棄却する。

この判例がベースとなれば、京都で行われている訴訟についても「更新料は消費者契約法に反しない」という判決が出される可能性も少なからずあるように思われます。更新料については、判例も一定しないことから、今後も注視が必要です。また新しい情報が入りましたら、ご報告させていただきます。


今回は以上とさせていただきます。
暑い日が続いておりますので、どうぞご自愛くださいますよう、お願いいたします。

敬 具

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