オーナー通信

2008年2月オーナー通信
2月15日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

ユニオン・メディエイト 賃貸事業部からのお知らせ

毎日大変寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
当社でも風邪がやや流行の兆しを見せておりますが、住居物件は特に1年で一番稼動できる時期ですので、スタッフ一同、休まず頑張っております。

さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りさせていただいております。

今回は、昨年5月以来、4度(5、7、10、12月)にわたりお伝えしてきました「更新料をめぐる訴訟」について、判決が出ましたので、そちらを詳報させていただきます。
お忙しい中とは存じますが、お読みいただければ幸いです。


 

更新料をめぐる訴訟・判決結果詳報

去る1月30日、京都地裁で更新料をめぐる訴訟の判決が出ました。結果は被告である貸主側の勝訴でした。
当社が加盟している日本賃貸住宅管理協会(略称:日管協)より、詳報が伝えられてまいりましたので、その記事をもとにご報告させていただきます。

 

◇本件事案の概要

賃貸借契約の更新時に更新料を課すのは、消費者契約法10条に違反するとして、京都市の男性が貸主に、それまで支払っていた更新料等500,000円の返還を求める訴訟を提起した。
この男性は平成12年8月に、「賃料45,000円」「1年契約」「更新料100,000円」という条件で賃貸借契約を締結。その後毎年100,000円の更新料を支払っていたが、部屋ごとに更新料の金額が違うことを知って、平成18年に更新料の支払いを拒否。
京都の弁護士会が開設した「更新料110番」に相談して、今回の訴訟に至った。

これに対し、被告側の貸主は、日管協京都支部の支援を受けて対抗することを表明。
これまで貸主の立場に立った弁護で多くの実績を上げてきた弁護士11名からなる「貸主更新料弁護団」が組織され、全面的に争われることとなった。

 

◇判決結果

請求棄却(被告側=貸主側 勝訴)

 

◇判決理由の要旨

1.更新料の法的性質について

(1)更新拒絶権放棄の対価(紛争解決金)・賃借権強化の対価の性質について

①更新料が授受され、合意更新が行われる場合、貸主は更新拒絶の通知をしないで、契約を更新するので、更新料は更新拒絶権放棄の対価の性質を有する。
また、法定更新の場合、更新後は期間の定めのない賃貸借となり、貸主からいつでも解約申し入れが可能となるが、合意更新により更新後も期間の定めのある賃貸借となる場合は、借主は期間満了まで明渡しを求められることがない上、貸主が将来、更新を拒絶した場合の正当事由の存否にあたり、従前の更新料の授受が考慮されるものと考えられるから、更新料は賃借権強化の性質を有する。

②もっとも、本件のように専ら賃貸目的で建築された居住用物件の賃貸借契約においては、更新拒絶や解約申入れの正当事由が認められる場合は多くはないと考えられるし、本件の契約期間は1年間と比較的短期間であり、賃借権が強化される程度は限られたものであるから、本件更新料の有する、更新料拒絶権放棄の対価・賃借権強化の対価としての性質は希薄である。

(2)賃料の補充の性質について

①上記(1)②にもかかわらず、借主と貸主は更新料支払いの約定のある賃貸借契約を締結している。
このような契約当事者の意思を合理的に解釈すると、貸主は1年目は礼金と家賃を加算した金額の売上を、2年目以降は更新料と家賃を加算した金額の売上を期待しているものと考えられ、借主は更新料を含む経済的な出損を比較検討した上で、物件を選択しているとみることができる。

②よって本件約定は1年間の賃料の一部を更新時に支払うこと(いわば賃料の前払い)を取り決めたものであるというべきである。

 

2.本件約定が消費者契約法10条により無効といえるか

(1)消費者契約法10条前段の要件(※民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の義務を加重する消費者契約の条項)を満たすか

本件更新料が、主として賃料の補充(賃料の前払い)としての性質を有していることからすると、本件約定は「賃料は、建物については毎月末に支払わなければならない」と定める民法614条本文と比べ、賃借人の義務を加重しているものと考えられるから、本件約定は上記要件を満たす。

(2)消費者契約法10条後段の要件(※民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの)を満たすか

  • 本件更新料の金額は、契約期間や賃料の月額に照らし、過大なものではないこと
  • 本件更新料約定の内容は明確である上、その存在及び更新料の金額について借主は説明を受けていることからすると、本件約定が借主に不測の損害、不利益をもたらすものではないこと

等をあわせ考慮すると、本件約定が上記要件を満たすものとはいえない。

(3)結論
以上により、本件約定が消費者契約法10条により無効であるということはできない。

少々難解な文章になってしまい恐縮しておりますが、要するに、「更新料支払いは借主にとっても賃借権が強化されるというメリットがあり、賃料の一部とみることもできるので、違法ではないと裁判所が判断した」ということだと思います。
今回、貸主側が敗訴していれば、今後はこれが判例になって、「更新料は違法」という判決が相次ぎ、その結果、更新料という制度がなくなることが危惧されておりましたので、まずは一安心というところです。

ただ、借主(原告)側は控訴する構えですので、まだ予断を許さない状況とはいえそうです。

 


今回は以上とさせていただきます。
花粉症にお悩みの方にとっては、つらい時期が始まりましたので、風邪、インフルエンザ等とあわせ、くれぐれもご自愛ください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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