オーナー通信

2009年7月オーナー通信
7月6日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

急に暑さが加わってきましたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
私たち賃貸事業部では、スタッフ一同、雨にも暑さにも負けず、毎日張り切って仕事をしています。
さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りしています。
今回は、新たに取り組み始めた賃料査定のことについてお伝えいたします。
お忙しい中とは存じますが、ご高覧いただければ幸いです。


 

賃料査定について

賃料査定方法改善の背景

 当社では、お預かりしている収益物件について、賃料を査定する方法を改めることにしました。

従来は、同一エリア内で条件の似通った物件をピックアップし、平均坪単価を割り出し、それをベースに調整するという方法をとっておりました。

この方法は、ある意味、賃貸業界内では一般的なもので、ほとんどの会社はそのように賃料を査定しているのではないかと思います。

しかし先日、当社が加盟している財団法人日本賃貸住宅管理協会のセミナーで、「物件の個別性」に着目した査定方法をとっている会社の事例が紹介されました。

言われてみれば非常にもっともな方法でしたので、早速、いくつかの管理物件で試行してみました。

すると、その方法をとることで、適正な賃料を設定できるだけでなく、ほかにも効用があることに気づきました。

結果、この賃料査定方法を当社の標準システムにすることにしました次第です。

 

新・賃料査定方法

 新しい賃料査定方法は、以下の通りです。

①次の条件に当てはまる競合物件を選定する
【条件】

  • 近隣にあること
  • 顧客ターゲットがほぼ同じであること
  • 間取りや専有面積がほぼ同じであること
  • 同一建物内で過去3~6ヶ月以内に成約事例があること
  • 現在空室があること

②競合物件と査定対象物件にスタッフ3名程度で行き、「比較項目」を12~15項目洗い出す
【比較項目候補】

  • 最寄り駅からの距離
  • 周辺環境(買い物の便、騒音等)
  • 建物の構造築年数
  • 階数
  • 部屋の位置(角部屋等)
  • 部屋の向き、日当たり
  • 部屋の使い勝手
  • 内装
  • 設備
  • セキュリティ
  • 駐車(駐輪)スペース
  • 契約条件(敷金・礼金等)
  • 共用部グレード、清掃状況等
  • その他

③選定した「比較項目」について、他の条件が全く同じであると仮定し、その「比較項目」の優劣により、賃料にいくら差が出ると考えられるのか、千円単位で考察する。

④競合物件の賃料に、「比較項目」の合計金額を加算する。

 

査定例

 文章だけではわかりづらいかと思いますので、ひとつ例をあげてご説明させていただきます。

Aマンション(査定対象物件)とBマンション(競合物件)はともに鉄筋コンクリート造で神奈川県内のターミナル駅から徒歩10分の場所にあり、歩いて30秒ほどしか離れていません。築年数もAが20年、Bが18年とほぼ同じ、専有面積もAが18㎡、Bが16㎡と大きな差はなく、双方3点ユニット、オートロックを備えており、非常に似通った物件です。

そうしますと、従来であれば賃料はほぼ同じであると結論づけていたかと思いますが、新しい査定方法をとりますと、明確な差が出てきます。

これから差異が認められる「比較項目」と「項目査定金額」を列記いたします。
申し訳ありませんが、金額差のついた理由については、紙面の都合上、割愛させていただきます。

競合物件であるBマンションの賃料(共益費込)は65,000円です。
なお「比較項目」に掲げられていない点については、ほぼ同一であるというようにご理解ください。

(1)Aは1口ガスコンロ、キッチンには食器棚や吊戸棚、カウンターテーブルがあり、大きめの冷蔵庫が置けるスペースもある(Bは渦巻き型の電気コンロ、収納少なく、ミニ冷蔵庫がついている)
⇒プラス3千円

(2)Aは洗濯機置き場に折戸と棚がついている(Bは洗濯機置き場が露出しているうえ、奥行きが45センチと狭く通常の全自動洗濯機は置きづらい)
⇒プラス2千円

(3)Aは専有部分18㎡(Bは16㎡)
⇒プラス1千円

(4)Aは6階建ての1階部分。ベランダ側の窓のセキュリティは普通(Bは7階建ての3階部分)
⇒マイナス3千円

(5)Aは北西向きで日はあまり入らない(Bは南向きで日当たりは良い)
⇒マイナス3千円

(6)Aはクローゼットが幅780mmで真ん中に仕切り板がついているため布団は収納できない(Bは幅1200mm)
⇒マイナス1千円

(7)Aはハウスクリーニングではもう除去できない浴槽の汚れや建具のヤニ跡が目立つ(Bは大変きれいになっている)
⇒マイナス2千円

(8)Aは屋根付の駐輪スペースがある(Bはなし)
⇒プラス2千円

(9)Aは共用部にソファーを備えた応接スペースがあるなどグレードが高い(Bは一般的)
⇒プラス2千円

(10)Aは礼金2ヶ月(Bは礼金なし)
⇒マイナス5千円(A―B)

通常は最低12項目をピックアップしますが、今回は紙面の都合で10項目のみとさせていただきました。

さて、上記10項目のプラス・マイナスを集計しますと、マイナス4千円、Bが65,000円ですのでAマンションの査定金額は61,000円という結果となりました。

 

査定結果を基にした分析

 このAマンションは、単純に賃料を61,000円にして募集するという方法もありますが、この結果を基に賃料アップを狙うという手もあります。

たとえば礼金をBマンションと同じにすれば賃料を5,000円上げることができ、長く住んでいただければ利益は大きくなります。

またセキュリティを強化したり、クローゼットの間仕切りを外したり、浴槽をコーティングし、建具にダイノックシートを貼ったりすれば、マイナス査定のものがなくなりますので、賃料を上げても十分競争できるということになります(もちろんエリア全体の相場、客層は考慮しないといけませんが)。

 

今後の方針

以上のように、物件には(当然といえば当然ですが)「個性」というものがあります。この「個性」を丹念に洗い出し、入居者の目線で物件をじっくり観察することが大切だと思われます。

オーナー様におかれましても、こまかな点まで比較検討された結果であれば、賃料を上げるにせよ、下げるにせよ、ご自身の物件の賃料設定について、理解しやすいのではないでしょうか。

当社では、年内に1棟単位でお預かりしている物件全てについて、こうした賃料査定を行い、オーナー様にご説明させていただく計画をたてております。

その際、さらに詳しくお話をさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 


 今号は以上で終わります。体調を崩しやすい季節がやってまいりますので、くれぐれもご自愛くださいますよう、お願い申し上げます。

 

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