オーナー通信

2009年8月オーナー通信
8月20日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

残暑厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。
私たち賃貸事業部では、おかげさまで体調を崩す者もなく、毎日明るく仕事に取り組んでおります。
さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りしています。
今回は、7月23日に京都地裁で出された「更新料無効」判決についてお伝えいたします。
お忙しい中とは存じますが、ご高覧いただければ幸いです。


 

更新料無効判決について

新聞報道

はじめに、7月24日の日本経済新聞に掲載された記事を引用し、概要をお伝えいたします。

賃貸住宅「更新料」は無効
~京都地裁初の判断「賃料の一部といえず」

賃貸住宅の「更新料」支払いを義務付けた特約は消費者契約法に違反し無効だとして、京都市のマンション入居者が貸主側に約11万円の返還を求めた訴訟の判決で、京都地裁は23日「入居者の利益を一方的に害する特約で無効」と判断、全額返還を命じた。

原告側弁護団によると、更新料をめぐっては、借地借家法の「法定更新」に基づく支払いを例外的に無効とした判例はあるが、特約そのものを消費者契約法上無効とする判決は初めて。

「入居後2年で賃料2カ月分」などの更新料特約は、首都圏などで慣行化し対象物件は全国で100万件以上とされる。
貸主側が賃料の補充や修繕費の一部に充てているケースも多い。同種訴訟では昨年1月の京都地裁判決が原告敗訴を言い渡しており(大阪高裁で係争中)、今後の司法判断の行方が不動産業界の動きに影響を与えそうだ。

辻本利雄裁判長は判決理由で「更新料は更新後に実際にマンションを使用した期間の長さにかかわらず支払わなければならず、使用期間の対価である賃料の一部とはいえない」と指摘し、更新料の必要性に合理的根拠がないと判断。
さらに「入居者が契約書で特約の存在を知っていても、その趣旨を明確に説明し、合意を得ない限り、利益を一方的に害することになる」と指摘。
特約そのものが無効だと結論付けた。

貸主側は訴訟で「更新料は、貸す側が更新を拒絶する権利を放棄する対価や家賃の補充として合理性があり、特約は有効」と主張していた。

原告は京都市のマンションに入居していた男性。
判決によると、男性は2006年4月に入居し、昨年
1月の契約更新時に、更新料として賃料2カ月分に当たる約11万円を支払ったが、5月に賃貸契約を解除、退去した。
(中略)
全国賃貸住宅経営協会(東京)は「更新料を大規模修繕に充てるケースも多く、認められなければ物件の質を維持するための財源確保が難しくなる。家賃を上げれば入居者が集まらないし・・・」と影響を心配する。

 

日本賃貸住宅管理協会のコメント

 この判決について、当社が加盟している財団法人日本賃貸住宅管理協会(略称:日管協)が発行したメールマガジンで発表したコメントを続けてご紹介いたします。

地裁レベルでは更新料を認める判決が繰り返されていましたが、今回は認めない判決があった。それだけのことです。

同じような訴訟でも主張の仕方で判決は異なりますし、同種の主張がなされても同じ裁判所で異なる判決が出ます。司法は案件を個別に判断します。原状回復の訴訟などは良い例でしょう。
「貸主が勝ったから今後は通常損耗負担特約は有効だ」とか「借主が勝ったからもう特約は無効だ」などと、皆様は考えていないはずです。

更新料訴訟の判例は、まだ確立されているとはいえない状況にあります。
更新料の今後の流れを左右する判決として注目すべきは、今年8月27日に大阪高裁の判決が予定されている訴訟です(昨年1月30日、京都地裁では貸主が勝訴)。
この大阪高裁の訴訟は貸主側・借主側とも弁護団を組織し、裁判官の求めに応じて双方が著名な学者等の意見書を提出していますので、多くの論点について考察した判決が出るでしょう。
最終的には最高裁まで争われるとも言われており、8月27日を以って更新料の判例が確立されることにはならないかもしれませんが、当面の流れを大きく左右するのはこの判決といえるでしょう。

 

当社の考え方

当社では、日管協と同じ構えでこの判決を受け止めています。
今後、入居者様のほうから「更新料は無効のはず」との話もいただくことになるかと思われますが、「判決は分かれており、一概に無効とは言えません」とお伝えするつもりです。

一方で、礼金や更新料分の収入をしっかり確保するために、新規契約時、礼金や更新料をなしとする代わりに賃料をその分上乗せする、というオプションをつける方策も検討する価値はありそうです。一部オーナー様の物件や当社物件では、その方法をとっているものもあります。この場合、入居者様は賃料上乗せのほうを選ぶ傾向がやや強いようです。

オーナー様にとりまして更新料収入がなくなるのは大きな打撃となりますが、同様に当社のような賃貸管理会社にとっても更新事務手数料がなくなっては困りますので、この問題については大変注目しております。同時に、対策を講じる必要性も痛感しております。

8月27日、大阪高裁での判決が出ましたら、続報させていただきます。
この件につきまして、詳細ご質問等ありましたら、気軽にご連絡ください。

 

ご報告(1) MAGねっと社改称

当社でメインに利用していた連帯保証人代行 会社の「MAGねっと」は、7月1日に社名を
「VESTA」に改称しました。
同社が傘下に入っているMAGねっとホールディングス(ジャスダック上場)は、破綻したSFCGとの関連で数々の問題が浮上しており、社名が近いことで影響が強すぎるとの判断から改称したように思われます。
当社では、すでに新規契約は行っておりませんが、同社は更新時の保証料が無償となっているため、取引は継続しています。
そのため、更新契約書の保証会社欄に「VEST-A」という名前が載りますが、こちらは旧MAGねっとのことでありますので、ご承知おきください。

 

ご報告(2)プライバシー・マーク

当社で一昨年取得したプライバシー・マーク利用資格の有効期間が本年9月2日で満了します。この資格の更新について、検討を重ねてまいりましたが、下記理由により、最終的に更新しないことにいたしました。
〔更新しない理由〕

  1. プライバシー・マーク取得を求めていた不動産ファンドが倒産・物件売却等により、当社との取引がなくなったため。
  2. 更新にかかる費用が高く(約300万円)、費用対効果を考えると採算が合わないため。

個人情報の保管・扱いに関するシステムは堅持してまいりますので、どうぞご了承願います。

 


今回は以上で終わります。
賃貸不動産業界を取り巻く環境は、なかなか厳しいものがありますが、正確に情報分析し、対策を講じることで、ご安心いただけるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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