オーナー通信

2010年11月オーナー通信
11月16日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

一雨ごとに寒さがつのるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

私たち賃貸事業部では新規管理受託や空室対策、この時期ならではのご提案工事などを中心に、毎日元気に仕事をさせていただいております。

さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りしています。

今回は家賃債務保証会社である株式会社VESTAの全株式譲渡についてご報告させていただきます。お忙しい中とは存じますが、ぜひご高覧ください。


VESTA問題について

全株式譲渡までの経緯

  去る10月1日、家賃債務保証会社の株式会社VESTAは、親会社であるMAGねっとホールディングスが9月30日に未納分の法人税等5億4500万円について、同社および一部の連結納税子会社の小口現金口座を東京国税局に差し押さえられたと発表しました。

差し押さえとなった金額のうち、VESTAの分は2億5900万円であったと報告されています。

この口座に入金されていたかなりの部分が、9月27日に集金代行会社によって引き落とされた10月分の家賃であったため、同社の集金代行サービスを使っていたオーナー様、管理会社は家賃の支払いを受けられない事態となりました。

つづく10月12日、MAGねっとホールディングスはVESTAの全株式を、同様の保証業務を行っている株式会社オーロラに譲渡したと発表しました。

オーロラ社は名古屋市に本社を置き、福岡を中心とした地域で家賃債務保証を展開している会社です。

10月18日発行の全国賃貸住宅新聞のインタビューで同社社長・竹原虎太郎氏は、この買収の目的を次のように語っております。

「オーロラでも家賃債務保証事業を展開しているので、今回は事業を拡大する好機と考えた。得られるメリットとしては、約1万4000社にのぼる取引先、審査・回収ノウハウと滞納履歴情報が手に入ること。そして帳簿上、同社には30億円ほどの債権がある。これはVESTAが代位弁済したのに未回収になっている債権。この債権を資産として活かす手は複数ある」

その後、本日(11月5日)に至るまで、主だった動きは発表されておりません。

 

VESTA破たんの原因

 VESTAが破たんすることになった一番の要因としては、MAGねっとホールディングスの中核会社であったSFCG(旧商工ファンド)の倒産と、その後の創業オーナー(大島建伸氏)の悪質な資産隠し、経営関与による信用失墜があげられます。

大島氏は、当初、VESTAの経営にはノータッチであったようですが、SFCGの経営状況が厳しくなってから、優良事業に育っていた家賃債務保証事業に強く関心を示すようになってきて、経営会議などにも出席し、幹部に指示をし始めたと、一部新聞などで報道されています。

役員でもなく、株主でもない立場にあり、資産隠しの悪質さを問われ逮捕・起訴されている者が経営に関与するのはおかしいという声が不動産業界から数多くあがり、ほとんどの会社が新規取引を差し控えるようになりました(当社もそのうちの1社です)。

そのためキャッシュフローに行き詰まり、今回の破たんに至ったというように見られております。

 

当社の契約状況

 当社では、前述のとおり、すでにVESTAとの新規取引は行っていなかったものの、以前はメインに取引していたため、10月30日時点で同社と保証契約を締結している賃借人様は251人いらっしゃいます。

このうち162人は連帯保証人をつけ、さらにVESTAの保証をつけて賃貸借契約を結んでおりますが、89人の方は連帯保証人なしのVESTA保証のみとなっております。

当社は集金代行サービスは一貫して使っていなかったため、オーナー様のお家賃が同社より入ってこなくなるという事態は発生しませんでした。

そして現在は、オーロラ社がどのようなかたちでVESTAの保証契約を承継していくのか、推移を見守っている状況です。

 

VESTA利用者の分析

さらにこのVESTA利用者をこまかく分析いたしますと、251人のうち、お家賃が遅れがちな方が4人いらっしゃいます。

その4人のうちおひとりが連帯保証人なしで保証契約を結んでおられます。

ただし、この4人の方にしましても、期限(当月分は前月末日までにお支払いいただく契約が標準です)を1ヵ月超えても、未払いであるという方はいらっしゃいません。

そもそも、当社では保証会社に代位弁済を依頼するまでもなく、自力で全額回収できており、保証会社は万一のときの保険のようなつもりで考えてきました。

したがって、もしオーロラ社が代位弁済業務を拒むような事態が発生したとしましても、その影響はそれほど大きなものにはならないと考えております。

 

今後の課題と対策

当面はオーロラ社の動きを見守るにせよ、今後の課題としてひとつ大きなものがあります。

当社はVESTAの保証サービスのうち、「更新契約時には保証料がかからない」という内容の商品を使ってまいりました。

そもそも保証会社を利用したのには、

①保証人をたてられない方、または保証人をたてたくない方の入居申込み機会を失わないこと

②滞納が大きくなってしまった場合、立て替えはもちろん、明け渡し訴訟になったときの裁判費用を保証してもらうこと

というふたつの大きな理由がありました。

このうち①の理由について、さらに入居申し込みの促進につなげていくために、新規契約時に保証料を支払えば、その後は費用がかからないというサービスを選び、それは大きな効果をあげてきました。

他の保証会社にはこのサービス商品がなかったので、差別化にもつながっていたのです。

しかし今回の場合、これが少し足を引っ張ることになりそうです。

と言いますのは、更新契約時に保証会社の切り替えを賃借人様にお願いしていきたいと思った時、VESTAであれば保証料がかからなかったのですが、他社では保証料をお支払いいただかないといけなくなるからです。

オーロラ社が万全の態勢で保証業務を継続してくれれば問題はないのですが、そうではなかった場合、保全措置を講じなければなりません。

当社では、現段階では次のような対策を考えております。

(1)連帯保証人もつけたうえ、VESTAを利用していた賃借人様
⇒そのまま連帯保証人様には連帯保証債務を引き受けていただき、保証会社はなくす。

(2)連帯保証人なしでVESTAを利用していた賃借人様
⇒連帯保証人をつけていただくか、別の保証会社と契約をしていただく。このとき保証料は新たに必要となるので、その旨説明し、ご理解いただく。

こちらの件につきましては、賃貸借契約を更新する時期を迎えましたら、ひとりひとりの賃借人様の状況を各オーナー様に報告し、その対応をご相談申し上げたいと思っております。

いずれにしましても、これまで以上にお家賃の回収には力を尽くし、オーナー様には一切ご迷惑をおかけすることのないよう努めてまいる所存です。

ご心配をおかけし、まことに申し訳ありませんが、諸事情をご理解くださいますよう、お願い申し上げます。


今号は以上とさせていただきます。日ごと寒さが募る時期、いつにもましてご自愛くださいますよう、お祈り申し上げます。

オーナー通信トップに戻る