オーナー通信

2011年10月オーナー通信
10月20日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

秋空高く、涼風爽やかなこの季節、オーナー様はいかがお過ごしでしょうか?

私たち賃貸事業部では、この時期、率先して外出するスタッフが多いような気がします。

さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月、定期報告書に添えて本紙をお送りしています。

今回は賃貸借契約書の一部見直し案についてご案内申し上げます。

お忙しい折、恐縮ですが、よろしくご高覧願います。


 

賃貸借契約書の一部見直しについて

◇ 見直すべきポイント

この夏、賃貸経営を取り巻く環境は、また一段と大きく変化いたしました。

7月15日、「更新料有効」と判断を下した最高裁判決。
8月16日、国土交通省による「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」再改訂版の発表。

この2つが特筆すべき大きな変化です。

前者はオーナー様にとって朗報となりましたが、「更新料」について改めて考え直す機会ともなりました。

今後も更新料は取るべきか。取るとしたら何か付加価値をつける必要はあるか。更新料を取らないこととしたら有利に働くことはあるか。取り続けると決めた更新料を確実に取るためには何か手を打つべきか。オーナー様はもちろんでしょうが、管理をしている我々も深く考えさせられました。

後者は、またしてもオーナー様の懐を痛めかねないものとなりました。入居6年後の入居者負担分について、その残存価値の下限を、これまでの「10%」から「1円」に改定したことなどがそれにあたります。

ただし、ここでも活路は与えられたように思われます。本来はオーナー様が負担すべきと(ガイドライン上は)考えられている費用について、賃貸借契約書で「例外としての特約」を定め、特別に賃借人が負担することとする理由を明記すれば、仮に裁判になっても有利に戦える可能性をガイドラインが匂わせてくれたからです。

今後、ますます「理論武装」を固めていかなければ、賃貸経営が成り立たなくなってきたこの時代、当社でもオーナー様の収益を守るため、定型の賃貸借契約書を一部見直す作業に着手しました。

見直すポイントは次の2つです。

1)更新料収入を守るための条文づくり
2)原状回復工事費負担割合を有利にするための特約づくり

この2つについて、以下、当社が弁護士と協議し進めている内容をお伝えいたします(まだ検討段階です)。

 

◇ 更新料収入を守るための条文

普通賃貸借契約には、「法定更新」というものがあります。借地借家法では、期間の定めのある賃貸借契約において、賃借人が引き続き入居することを希望する場合は、契約更新することを強制しています。

賃貸人(オーナー様)の意思にかかわらず、法律の定めによって更新できる、このあり方を「法定更新」と言います。

そして一部賃借人の中には、時折「法定更新となった場合、更新料は支払わなくてもよい」と主張する方が現れます。法律で定められた権利を行使し更新するのだから、更新料は無用である、と言うのです。

実際、法定更新になったときの更新料支払いの是非について裁判で争われたケースが幾例もあり、判決は五分五分といったところです。すなわち、「法定更新なので更新料は支払わなくてもよい」とする判決もあるということです。

賃貸経営を考えるとき、これは何としても阻止しなくてはなりません。そこで賃貸借契約書に「法定更新となった場合でも、更新料の支払義務は消滅しない」と明確に謳う必要が出てきます。

当社の住居版契約書では、この旨、定義されておりますが、オフィス・店舗版の方は謳っておりませんでしたので、まずはこちらを見直します。

さらに、法定更新の状態が長引き、2度目、3度目の契約期間満了を迎えても、常に更新料は発生するという条文も入れるべきだと考えています。

また、更新料の支払期日を過ぎても支払っていただけないときは、遅延損害金が発生すると規定すれば万全ではないかと思います。

これらの点を考慮した条文に、住居版、オフィス・店舗版ともども改訂したいと考えております。

 

◇ 原状回復工事費負担割合を有利にするための特約

このたびのガイドライン改訂では、前述しました通り、「例外としての特約」を定め、その特約を定めた理由を明記すれば、裁判で争うような事態になってもオーナー様が有利に戦える、と解釈できるような書式が添付されています。
この書式を上手に使いこなし、住居版賃貸借契約書をパワーアップさせたいと考えています。

具体的に述べます。

東京都下の住居物件では、紛争防止条例の定めにより、契約前に原状回復工事や修繕工事の負担区分を示す説明書を提示し、賃借人に署名押印していただくことが義務付けられています。
当社では同様の説明書を神奈川・千葉・埼玉の物件でも作成し、賃借人に署名押印していただいています。

この説明書を新しいガイドラインに沿った形で改定し、特約を増やします。
賃貸借契約書にも、この説明書とリンクした条文を盛り込みます。

新たに設ける特約は、本当はいくらでも列挙したいところなのでありますが、それでは賃借人に敬遠されてしまう怖れがありますので、以下に掲げる4点に絞るのがよいのではないかと考えています。

[特約設定事項]
(1)賃借人がペットを飼っていた場合
オーナー様が承認していた、いないに関わらず、賃借人がペットを飼っていた場合は、すべてのクロス張替え、床のフローリング、CFの張替え費用を賃借人負担としたいと考えています。

(2)賃借人が室内で煙草を吸っていた場合
ヤニ汚れや臭いの付着したクロスの張替え、焼け焦げによるフローリング・CFの張替え、ハウスクリーニング(エアコン内部洗浄含む)をすべて賃借人負担としたいと考えています。

(3)フローリングを損傷してしまった場合
故意・過失によりフローリングを損傷してしまった場合、その損傷1カ所につき全体張替えの25%(2カ所であれば50%、4カ所以上あれば100%)を賃借人負担としたいと考えています。

(4)ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニングの内容と費用を明確に記載し、それは専門業者に委託して行うものとし、費用はすべて賃借人負担としたいと考えています。

 

◇ 改訂までの流れ

改訂版賃貸借契約書への切り替えは、本年12月1日より行いたいと考えております。
現在、私たちが作成した原案を弁護士に監修してもらっている段階です。
10月中に当社案をまとめ、11月にオーナー様からご意見を頂戴し、それをもとに修正し、完成させたい意向です。
今回はその事前広報をさせていただきました。本紙をご覧になり、現段階でご意見等頂戴できましたら非常にありがたいです。
お忙しいところまことに恐縮ですが、ぜひともご助力賜りたく、お願い申し上げます。

 


今号は以上とさせていただきます。
夏の疲れが出ておられるのか、風邪をひかれてしまわれたオーナー様も少なくないようでございます。
どうぞくれぐれもご自愛くださいますよう、お願い申し上げます。

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