オーナー通信

2012年5月オーナー通信
5月10日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

新緑の季節がやってきました。一雨ごとに草や木が勢いよく生い茂り、生命の躍動を感じるこの季節、何か新しいことを始めようと考えておられるオーナー様も多いのではないでしょうか?

さて、当社では「賃貸管理にまつわるホットなニュースをお伝えすること」「新しい商品やアイディアをご提案すること」を目的に、毎月本紙をお送りしています。

今回は「稼働率」についてお話をさせていただきたいと思います。

お忙しい折恐縮ですが、よろしくご高覧願います。


「稼働率」考

◇ 不動産投資上の稼働率の定義

賃貸管理を手掛ける会社にとって、その能力を推し量るのに役立つ数値のひとつに「稼働率」があります。
「稼働率」とは、非常に簡潔に言えば「管理している物件のうち、稼働しているお部屋の割合」のことです。
新聞等ではオフィスの「空室率」が毎月公表されています。これは「管理している物件のうち、空いているお部屋の割合」ですから、稼働率と空室率は表と裏の関係にあります。
稼働率は高ければ高いほど優秀で、空室率は低ければ低いほど優秀だと言えます。
しかし、稼働率にせよ、空室率にせよ、その定義はかなりまちまちであることをご存知でしょうか?
通常、不動産投資の用語としての「空室率」には、単純に空いている部屋数ではなく、空いている期間も考慮されます。
計算式に表すと、次のようになります。

(年間解約戸数×平均空室期間 [月単位] )

総戸数×12カ月

たとえば全10室あるマンションで、年間2室解約があり、その平均空室期間が2カ月だったとすると、空室率は

(2戸×2カ月)
10戸×12カ月

=3.3%となります。この場合、稼働率は96.7%です。
一方、戸数ではなく面積をベースに稼働率を計算するケースもあります。こちらは上記計算式のうち「戸数」を「面積」に置き換えて計算されます。

◇ 管理会社による稼働率の定義

これに対し、私たち管理会社が発表している空室率は、もっと単純に計算されています。計算式に表せば、

空室数
総戸数

となります。
その裏返しが稼働率で、計算式にすると

(総戸数-空室数)
総戸数

となります。
つまり、空室期間を考慮せず、ある一定の時点(通常は月末時点)の数値を発表しているわけです。

◇ 空室の定義

ところが、この稼働率の話、実はもう少し複雑です。
というのは、「空室」の定義が各社によって微妙に異なっているからです。
たとえば「稼働率99%」とうたって、新聞広告等をよく出している日本財託という会社では、「お部屋が解約されたのち、原状回復工事が終わった時点」で空室と判定しておられます。

これに対し、当社では、「お部屋が解約された翌日」から空室と判定しています。
どちらの数字が高くなるかと言いますと、当然、日本財託社です。
たとえば当社の住居物件は今年3月末時点での稼働率を98.0%と発表していますが、日本財託社方式で計算し直しますと、98.8%となります。

しかし、賃貸管理業界の中には、「お部屋が解約されてから1カ月経過後」から空室と判定している会社もありますので、日本財託社の空室の定義が緩いというわけでもありません。
当社に比べれば緩いというだけのことです。

◇ 当社のスタンス

冒頭、申し上げました通り、稼働率は賃貸管理会社の実力をはかる指標となります。
そのため、厳しく定義された空室でもって稼働率を計算し公表すれば、不利となることは否めません。
今春、業界大手である日本財託社の空室の定義を知って、当社でも同社と定義を同じくして公表すべきではないか、という議論が社内でかわされました。
空室に悩み、管理会社の変更を検討されているオーナー様がいらしたとき、より高い稼働率の会社に任せたいと思われるのは当然で、わざわざ不利な空室の定義を取るのもどうかと考えたためです。
しかし結論としては、従来通り「お部屋が解約された翌日」から空室と判定することにいたしました。
理由は、

1) オーナー様にとってわかりやすいほうがよい
2) 日本財託社方式の場合、原状回復工事を遅らせれば稼働率が高くなるが、それはオーナー様にとって良いことではないはず

というものです。
もちろん日本財託社がわざと原状回復工事を遅らせているはずなどないのですが、そのような誤解を与えかねない定義はとらないほうがよいと考えました。

また、ご存知かどうかはわかりかねますが、当社ではホームページ上で、毎月、月末時点での稼働率を公表し続けています。その際、管理戸数と空室戸数もあわせて公表しております。
そのようにしている賃貸管理会社は日本財託社や当社など、ごく少数ですが、オーナー様が管理会社を選定する際に役立つ数値は、なるべく詳細にお伝えし続けたほうがよいと考えています(賃貸管理会社の中には、年間で最も稼働率がよかった時点での数値のみ表に出しているところもあります)。
夏場など、稼働率がどうしても低くなってしまう時期はつらいものがありますが、それでも実数を発表し続けることに意義があると信じております。

◇ まとめ

住居物件の稼働率は全国的には80%程度、一番高い東京都でも90%を切っていると言われております。
その中で98%という数字をつくっていることに、私たちは誇りを持っております。
当社が目標として意識している日本財託社は管理戸数が10,000戸を超えている中で99%ですから、高い壁ではあります。ただ同社は東京都内のみ管理をされていますので、東京・神奈川・千葉・埼玉の広範囲で管理をさせていただいている当社に比べれば、稼働はさせやすい環境だとも言えます。
いずれにしても、ひとくちに「稼働率」と言っても、実状は各社各様、さらに管理の条件や物件のレベル、エリア、さらには計算方式によっても異なるということをご理解いただければ、ありがたいです。
当社以外の会社に管理をお任せになっておられるオーナー様には、この「稼働率」について、数字や空室の定義を一度確認してみられることをお勧めいたします。


今号は以上とさせていただきます。
一年で一番気候の良い季節、オーナー様がたが楽しく充実した毎日をお過ごしになられますよう、スタッフ一同願っております。

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